ライトノベル・レビュー

キノの旅 8巻(時雨沢恵一 イラスト:白星紅白 ) 

 しゃべるモトラド(一輪車のこと。ここではバイク)と共に旅を続けるキノが。3日だけ留まる都市で遭遇する少し不思議(ただしシビア)な物語を描く「銃殺天使キノたん」(作者公認通称。詳しくはドクロちゃん4巻後書きにて)こと「キノの旅」の8巻。まあ、キノの師匠の若い頃の話や、亡国の王子シズ(とその連れのこれまた喋る犬・陸)の話もありますが。
 ラストでどんでん返しのあるヒネリの効いた展開や、乾いた文章で描写される一癖ある人物など、どこか星新一氏のショートショートを思い出させるものがあります。関係ないけど、ニュートラルな性格ってのはキノのようなものなんだろうなぁ。

 今回の見所は、2ちゃんの裏側を見ているような「ラジオな国」ではなく、微妙にヤバげな感じのする「救われた国」でもなく、やはりここは掌編の多い本作において珍しく本の半分くらい使った中篇「キノVSシズ!?ロリコンストーカー・シズに最後の刻が訪れる」な「船の国」というのが普通でしょうが、せっかくだから俺はカラー口絵の眼鏡キノを選ぶぜ!と誰しも(私を知る人なら)予想するところを裏切って(偏狭なメガネストな私は、元々眼鏡かけてないキャラの眼鏡にはときめかないもんで←オイ)、「後書き」を推します。

 つか、今までも結構はっちゃけた後書き書いてた時雨沢先生ですが、今回はその(間違った方向への)情熱が燃え尽きるほどヒート!してます。
 何しろ、後書き丸々使って巻末部分のパロディをやってます。文章だと分かりにくいですが、普通巻末は著作リスト→発行年月日・権利関係などの表記→電撃文庫創刊に関して(角川歴彦氏)→他の文庫の紹介、となってます。
 それを微妙に変えて、著作リストがいい加減なのは勿論、権利関係の各位に「様」付けてるのは序の口。「創刊にあたって」は「電撃文庫作家になってみて」という先生のボヤキになってるし、圧巻なのは「他の文庫紹介」のところ。
 アリソンがアニソンなのは当然として(?)、キノの旅は「キノの足袋(ご丁寧に副題は the beautiful socks になってる)」「キノの語尾」「キノの帯(呉服ファンタジーだそうです)」「キノの錆」キノの荼毘(火葬のこと。激萌え小説ってオイ)」etc・・・。と正に一人「電撃ヴんこ」状態。
 キノの旅本編は知らなくても、これは見てくれ!と言わんばかりの力作です。つか、本編より気合入ってませんか?(笑) 
(はろmk−II)




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