ゲームレビュー

鉄人28号(バンダイ PS2 正太郎くんエミュレーター)

 横山先生が亡くなった年に横山作品好きの今川監督によってリメイクされるという、何やら因縁を感じさせる先生の代表作と言っていい鉄人28号。

 そのゲーム化は「リモートコントロールダンディ」や「ギガンティックドライブ」で、巨大ロボットを操縦する楽しさ(と難しさ)を提示してきた(有)サンドロット(発売はバンダイ)

 格好ともいえるカップリングだが、デキの方は果たしていかに?

●操作システム
 鉄人の操作は十字キーで移動。ラジコンタイプというか、←→は旋回です。またレバー2回入れでステップ。L1で防御。R1で飛行。R2で近くに鉄人を呼ぶ。
 攻撃は一風変わってて、□が右パンチ○が左パンチ△が必殺攻撃なのはいいとして、タメ時間で攻撃が変わります。パンチでいうと、ジャブ→フック→チョップ→アッパー(ストレート)の様に。
 又、攻撃とは違いますが×で目の前のもの掴むことできます。国会議事堂から人まで。しかも、再度×で投げられます。勿論、国会議事堂から人まで(←しつこい)

 アクションゲームにしては色々変わった用途のボタンがあると思う方もいるかもしれませんが、それもそのはず。このゲームは、“鉄人になって”鉄人を動かすゲームではなく、“正太郎になって”鉄人を動かすゲームなのです。つまり、ロボットアクションというより、ロボット操作シミュレーターというのが近いかと。

 んで、正太郎側の操作は(セレクトで入れ替わる。両方同時に操作はできない)
 十字キーで移動。×でジャンプ。○でパンチ。

 当たり前だが、10歳の少年である正太郎は、足も速くなければパンチも目の前の相手にしかできない。このモードは「ちょっと他の事も出来るカメラ移動モード」くらいに思ったほうが良い。

●アクションゲームとして
 正直に言えば、本作はアクションゲームとしてはやや難がある。
 鉄人の動きはノロいわ、タメ攻撃なんで思ったように攻撃出せないわ、すぐ、鉄人と離れて見えにくくなるわ、仕方ないから正太郎に切り替えていいカメラ位置に動こうとすると、その間に鉄人ボコられるわetc

 しかし、ロボットアクションとしてでなく、ロボット操作シミュレーター、というか正太郎エミュレーターとしてはどうか?・・・楽しいのである
 見上げるほどの巨体を自ら操作し、難しい操作に苦戦しながらも戦う鉄人を見守る。離れて電波が届かなくなった(という設定で)鉄人に近づき、スイッチを入れて命を吹き込み「やれ!鉄人!!」と叫ぶ・・・といった原作さながらのシチュエーションが楽しめるのである。原作好きならたまらないかと。

●モード解説
 鉄人を使って全26話の戦いを再現する「ストーリーモード」
 鉄人以外のロボットも使え、シチュエーションも様々な「チャレンジモード」
 最大4人までの乱闘が楽しめる「対戦モード」
の3つ。難易度は5段階(面ごとに選べる)。ストーリーは一度クリアすると面セレクトが可能に。

●まとめ
 前に書いたように、正太郎エミュレーターとしては中々の再現度。慣れてくれば意のままに鉄人を動かせるようになるし、何より、歩いただけで地響きを起こす鉄人の重厚さはたまらないものが。また、「掴む」ボタンでありえないほどの建物を持ち上げ敵にぶつけた時のアナーキーなカタルシスは舌筆に尽くしがたいものが。

 ただ難点も結構あり
・鉄人の操作
 十字キーで移動ってのはやりやすい反面、お手軽すぎて操縦してる感じが薄い。リモダンやギガドラの様にL・Rで一歩ずつ踏みしめる感覚が好きなんで。後、タメ攻撃は自分の出したい攻撃を出せない時があってもどかしいところも。
・正太郎のスペックが低い
 走るのは遅いし、攻撃もパンチ(しかも範囲狭い)のみ。前2作の主人公の様に、ロボの肩に乗れる跳躍力もヘタするとロボより威力のある生身での武器攻撃もない。まあ、鉄人は昭和30年代、前2作は近未来ということ考えると仕方ないんですが。
・ストーリーモードは鉄人しか使えない
 1週クリアしたら他のロボでも使用可能にしてくれると、他のロボへの愛着も湧くんですが。

 良く出来てるゲームと認めつつも、1面の「生身の人間(X団の団員)を、鉄人で掴んで放り投げたり踏み潰して蹂躙する」ような荒唐無稽なバカさが全面に行き渡ってるともっと面白くなったのでは・・・というのはヒネクレた感じ方でしょうか(笑)




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