ライトノベル・レビュー

(旋風伝 レラ=シウ 1巻 朝松 健  イラスト: 山田 章博 ) 以下・GA文庫

 志波新之助は焼け落ちる五稜郭で妖かしの陰を見た。その後、政府軍に追われる身になった新之助はアイヌに助けられながら、各地で五稜郭のような怪異を目にする。果たして北海道と名を変えた蝦夷で何が起こっているのか?アイヌ語で「中のまん中」を意味するシンノシケの名を冠する新之助こと旋風(レラ・シウ)はその名の如く時代を駆け抜ける。

 先に断っておくとこの本は全くの新刊というわけではないです。先に朝日ソノラマ文庫で2冊出した「ノーザントレイル」シリーズという作品で、版元の都合で現在絶版になってるものを復刊させたもの。まあ、っちゃけ私はそこら辺のこと知らなかったんですが、というか作者の朝松健先生すら「「ネギま!」の作者の一字違いだな」とか初めは思ってたり。いや結構有名な人だったんですな。

 んで、この作品はジャンルでいうと「伝奇アクション」。伝奇モノとしては、時代が明治初期・場所が蝦夷(北海道)で、出てくる妖怪(というか悪神)もアイヌゆかりのもの。この辺の設定は珍しく、呼んでいて面白い。何しろ私はアイヌの伝承なんてコロポックルくらいしか知らないし。

 文章に移ると、文体はやや固めだが、時代に合ってるので問題ない。展開は面白く人物描写も丁寧にしてあるのだが、文末が「〜した」ばかりなのが気になった。ここら辺は好みもあるが。函館軍の新之助が主人公なせいか、政府軍にやたら下卑た人物が多いが、まあ実際末端の政府軍てのはこんなものかもしれない。ただ、そんな下劣な人物に真っ直ぐな新之助や純朴なアイヌの人たちが追われることになる様は、テーマが「神々の黄昏」だからとはいえ心が痛む。

 挿絵も無いことから(表紙はあるが挿絵は一切無い)、ラノベというより一般小説に近いので、ラノベは最近飽き気味という方は読んでみるのもいいかもしれない。
(はろmk−II)




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