ライトノベル・レビュー

ネクラ少女は黒魔法で恋をする(熊谷雅人 イラスト:えれっと) 以下・MF文庫J

第1回MF文庫Jライトノベル新人賞最後の一作がついに登場。
悪魔と契約し可愛くしてもらったネクラ少女空口真帆。
契約の条件として「誰も好きにならないこと」を飲み込んだのだが……

なんかすごく見たことある絵だなって思ってたらニュース系サイトさんでよく紹介されてる「うつらうららか」さんのえれっとさんではありませんか。
いやびっくり。ライトノベルは思いがけないところから絵師さん連れてくるなあ……

いやもう面白かったです。
内心では毒づいてて、でも表に出せなくてってのはよくわかる。周りに溶け込めなくて自己嫌悪して、それが嫌で、でもどうしようもなくて結局孤立するってのも。
もうさ、前半部分の真帆の心境ってのが痛いほどによくわかる。わかってしまうのが悲しい。
だから彼女が仲間を手に入れて恋をして一生懸命変わろうとがんばる姿がとてもまぶしく見えた。すごく応援してあげたい気分になった。
これは変わろうとする前の真帆の気持ちがわかる人にはとても響く作品だと思う。

まあそうじゃなくても友達や仲間を手に入れて自分の居場所を見つけて恋をしていく真帆の姿ってのはとても微笑ましい。
変わろうって思ってもそうそう簡単に変われるわけじゃあないけれど前向きに全部受け止めて、乗り越えていけた真帆は強いなってそう思う。それこそ悪魔の囁きにも負けないくらい。
真帆がそうして悪魔に負けないくらい変われたのも周りの皆の優しさがあったから。彼女が今まで見ようとしなかったものがあったから。
世界は思っているほど辛いことだけではないし、自分に優しくないってこともないかもしれない。
そういう風に思える強さ、本当の意味での「変わること」っていうのを見つけること。本作は軽いラブコメではあるけれど、そういうことを踏まえた成長物語という側面も十二分に備えた名作だと思う。

いやもう「イラスト買いしちゃったぜ!」とか思って本っ当にごめんなさい(笑)
紙様

 ハッキリ言えばこの主人公・空口真帆は物語冒頭の頃はダメな人間である。性格が明るい・暗いはまあ生まれつきなところもあって仕方ないが、大人しくしているように見せて内心では他人のことを軽蔑しており、あまつさえ勝手に他人が悪口言ってると思い込み、他人の親切は信じられない。その割には自分に対して自信があるわけでもなくいつか王子様でも現れてくれるんじゃないかと夢想する。そりゃ悪魔ならずとも「腐ってる」と言いたくなる。

でも許す・・・・だって眼鏡っ娘だから

ぢゃなくて、程度の差はあるが誰しもそうなんですよ。その前には単語を知らず、その最中には気恥ずかしく、それを過ぎればもう使うことの少ない言葉、そう「思春期」の頃には

 結局、何故そこまで排他的で独善的になるかというと、自分というものが分からないからであろう。だから自分がどう見えるか他人の評価を気にするし、しかしいざ正当な評価を目にしても「これは本当の自分じゃない」と否定する。「本当の自分」なんてのはいつも自分の目の前にあるものなのに、それを見たがらない、何しろ汚いところも残さず見つめないといけないから。「排他的」なのも「独善的」なのも、自分を見つめないで済むための両極端な方便に過ぎない。

しかし、人はいつか大人になる、なんつうどこぞの歌のセリフの様にいつかは自分とやらを受け入れることになる。そして、自分と他人というものを見つめられるようになる。この本はそこら辺の誰しも経験することを丁寧に描いてあるので、思春期とやらを振り返れる人には苦く、そして読後は爽やかな印象を与えるのではなかろうか。

 とまあ、真面目なことばかり書いてきたんで、アホなことも書けば。えれってさんの描く柔らかなタッチは良いなぁとか。まあ、恐ろしいはずの悪魔までかわいいんのはご愛嬌ですが。後、真帆は性格変わっても眼鏡外すんじゃねぃとか。最後には戻ったからいいとするけど。そーいや、後書きでは続編の存在を匂わせてましたが、個人的にはここで終わるのが綺麗ではなかろうかと思いますが。
(はろmk−II)




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