ライトノベル・レビュー

ぺとぺとさん 1〜4巻(木村 航 イラスト:YUG) 以下・ファミ通文庫

 一見普通の作品である。作者自身「妖怪と人が同居するぬるい世界が書きたかった」とか1巻の後書きで書いてるように、何ら事件が起こるでもなく(いや全く起きないわけじゃないですが、地方紙の3面記事程度)淡々と田舎の一風景と人間関係を描いている。わたおにこと「週間わたしのおにいちゃん」で一躍有名になったYUG氏のイラストと相まってほにゃらかな世界(←ナンじゃそりゃ)をかもし出している・・のだがそれだけではない。
妖怪が「特定種族」と言われてるところからも分かるように、認められているが受け入れられてるわけではなかったり、「特定種族」と認定されるため戦う人物がいたりするなど微妙に暗いというかリアルである。そこら辺はバカな世界観ながら締めるところは締めるライアーの作品に通じるものがあるというかライターさんの一人だしなぁ。まあ、何も考えずにも読めるし考えても読めるところは中々良いと思う。個人的には、ずんべらぼうの守口ジェレミーがいい味出してるなぁと。人の顔を奪って自分のものとするずんべらぼうなのに、普段はプロレスのマスク被って「これはアチシのアイデンティティー」と言ってる姿はチト考えさせられた。最新刊でもかなり活躍してるし「友情や愛情は有限で、たまたま恵まれてたアタシはごめんなさいというしかない」ですか。

え〜、「ぺとぺとさん」「さよなら〜」は、主人公ぺと子こと藤村鳩子が転校してきてから去ってゆくまでのひと夏の物語。アニメはこの2つをまとめたもの。ただ、小説の微妙な暗さはオミットされてるっぽい。「帰ってきた〜」は一時的に帰ってきたぺと子の物語・・というより変えることになった理由の騒動へのウェイトが大きいか。まだ続刊中。

 最後に一つ。博多出身のくぐるのエセ博多弁はどーにかならんか、というか博多出身者としては見逃せねぃ。まあぺと子の関西弁も本場の人が聞けば「何じゃこりゃ?」なんでしょうけど。
(はろmk−II)




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