ライトノベル・レビュー

Dクラッカーズ 全8巻(あざの耕平 イラスト:村崎久都 )
Dクラッカーズ ショート 1・2(あざの耕平 イラスト:村崎久都 ) 以下、富士見ミステリー 

各所で「こいつは面白い」と話題の作品「Dクラッカーズ」
その流れに乗りながらボチボチと読んでみました。

この作品は「不遇」で「もったいない」とまず思いました。
まず「不遇」。何がってそりゃ「レーベルのマイナーさ」が一番のネックでしょう。
一昔前まで(今でも?)富士見ミステリーと言えば地雷の宝庫として恐れられていた弱小レーベルでした。
そんな時期に彗星のように登場したのが「Dクラッカーズ」シリーズ。
確かに作品初期はレーベルの色に合わせようとして無理にミステリーやってるような気がしたんですけど、ミステリーの枠を無視し始めてからの方が断然面白い。
正直これは富士ミス向けの作品じゃないと思います。
そう思うとあまり人目につかなかったことが非常に「もったいない」
これがファンタジアから出ていたならば……もっと早く脚光を浴びていてもおかしくなかったはずです。
逆にいえばもしDクラが富士ミスから出てなかったら富士ミスの運命はどうなっていたか分からない、それくらいパワーのある作品だと思う。

さて、ではDクラのどの辺がいいのか?
物語がつながっているという点をまず挙げたい。
一巻から最終巻までつながって一つの物語であるという印象を受けます。
一巻一巻の「引き」が非常に気になる形で提示されるので「続きが読みたい、もっと早く」と作者泣かせな心情にさせられるのだ。コレがとても上手い。
そのおかげで読者もグイグイ作中に引きずり込まれるのだ。まるでドラッグをやっているかのごとく(笑)
そして物語の構成も。あざの先生は特に「転」「結」の部分が上手い。
4,5巻、7−1,7−2巻の「ドン底→大逆転劇」はまさに鳥肌ものです。

次にキャラクター。
謎のドラッグ「カプセル」に導かれるように集まる登場人物たち。
その誰もが一本の筋を持っていて非常に魅力的かつ生き生きとしています。
その『筋』というのが千差万別なのが面白い所で。
「悪魔を狩るのが目的」の景、「景を救いたい」梓、「自分の正義を貫きたい」千絵、「自殺した兄にせまりたい」水原、「自分を満たすためにただひたすら闘う」甲斐などなど……
どいつもこいつもクセモノ揃いで、でもそれが不思議と不協和音を奏でず、1枚の絵になるというのが非常に上手い。
ちなみに僕が一番お気に入りなのは甲斐氷太ですね。
存在そのものが「力」「暴力」みたいな危険な奴で作中も所狭しと暴れ回っていたのが非常に印象深いです。
5巻でバイクに乗って火炎瓶をぶちまけるシーンなんか甲斐をよく象徴してるなあと思いました。
危険だとは思いつつも心のどこかでこういう「力」には憧れを持ってしまうものなんでしょうか、とにかく甲斐は忘れられないキャラです。
『黒鮫』も悪魔の中じゃ一番カッコイイと思うし。

一巻だけ読むと不満かもしれない。
だけどだまされたと思って最後まで一気に読んでもらいたい。いや、本当に読むんなら最初から最後まで一気に読むのが正解だと思う。
Dクラッカーズは一巻から最終巻、ショート2冊全てを読んではじめて一つの『本』、『物語』となるのだから……


さあ、くそったれなジャンキーどもの物語にヒャッハーしようぜ!!(マテ)
紙様
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1・2巻の感想

カプセルによって呼び出されたアクマを使って構想するジャンキー達。そのハイな戦闘とクールな策略とバッドトリップのような人外の戦いを描くDクラッカーズ。

 正直なところ。1巻ではまだ序章というか、主人公が事件に巻き込まれるまでしか描いてないんで、楽しさも中くらいなりおらが春ですが、2巻でこれからのレギュラーとなる人物が勢揃いした(らしい)ので話が転がってきた感じがあります。つか、2巻は中々面白かったです。戦闘にミステリーにと。

 特に、陽性のバトルマニア・甲斐氷太は粗暴ながら憎めないキャラで脇役にはもったいない存在感あります。アレだ。茜がツンデレしながら仲良くなる話とかあったら私は転げるね(←死んでしまえ)

 セルネットの全貌は?「無慈悲な女王」とは?景の追ってる悪魔とは?そしてその悪魔と景との関係は?姫の悪魔持ち(オーナー)への覚醒はあるのか?つか姫と景はどーなるのか?ついでに千恵と水原はどーなんでしょ?etc・・・
 予想がつくところもつかないところもまとめて楽しみな作品です。

 余談ですが、景は使ってる悪魔といい風貌といい名前といい「名たんていカゲマン」の主人公・カゲマンこと影万太郎が元ネタなんだろうか?その内呼び出す時「シャドー!!」とか言うんじゃないかとハラハラと(←するな)。 




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