ライトノベル・レビュー

マテリアルゴースト(葵せきな イラスト:てぃんくる) 以下・富士見ファンタジア

死にたがりの少年と幽霊少女の物語「マテリアルゴースト」

幽霊を物質化することのできる死にたがりの少年式見螢。
記憶喪失の幽霊(美)少女ユウ。
ツンデレ巫女服着ない巫女娘神無鈴音。
IMEパッドの大敵掴みどころのない先輩真儀瑠紗鳥。
ちょっと日常からずれた彼と彼女たちの織り成すちょっと変わった日常。

……だったらよかったのに(マテ)

そんな「マテリアルゴースト」、第17回富士見ファンタジア大賞『佳作』受賞作です。
「バトロイ」みたいにお気楽短編のようなノリかと思いきやいきなり悪霊とバトるったりしてます……バトる?
それはともかく、期待していたノリではなかったです。まあ残念ではありますが、決して面白くなかったわけではないですよ?

あとがきで葵先生自ら述べているように序盤の「都市伝説」のシーンは結構異質です。ここだけ浮いてます。棚に返したくなるくらい。
もとよりホラー嫌いな性質なのでこの程度でも結構キてしまいます、僕の場合。なので余計期待とは別のベクトルに進むのではって感じましたね。
でもまあ異質なのは本当に最初だけなのでそこからはまあユウが抱きついてきたり先輩にいぢめられたり耳に息を吹きかけられて真っ赤になる鈴音が見れたりと満足でした。くそぅ、螢のやつめ。二次元がうらやましい(マテ)
で、そういう日常パートを経てもう一度霊能パートに戻るわけですが、やっぱりどうもしっくりこないというか。
基本的に「バトロイ」の短編のような、幽霊とのちょっとした日常、霊とのふれあいなんつーそういうノリが好きで購入しただけにバトル展開とかが入るとちょっと驚きというか違和感を感じてしまったり。
(もしもw)今後展開があるとしたら、短編のときのような、そういうノリのものが読んでみたいと思います。

で、まあ大多数の人が螢の「死にたがり」について何かを感じると思います。たいていは「ナニ言ってんだこのガキ」とか、そういった憤りの類でしょう。
でも、僕は螢の考えがわからなくもないです。
冗談めいたことじゃなくて本当に自分が生きることに価値が見出せないというか「死にたくはないがだからといって生きている理由もまたない」ってそういう風に考えたことは実際あります。
大して何ができるわけでもなく、だったら生きていても死んでいても、自分も周りも、そう変わることがないんじゃないかって。いてもいなくても同じならって。
そういうのってわかる気がするなあ……

(……一応断っておきますが「考えたことがある」ってわけで現在はまったくこれっぽっちも死にたいとか考えてませんよ、ええ。
だって僕は人生を(多分間違った方向に(笑))楽しんでるんですから)
紙様





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