ライトノベル・レビュー

タマラセ 彼女はキュートな撲殺魔  1〜5巻(六塚光 イラスト:日向悠二 )

角川スニーカー大賞優秀賞作品。
簡単に説明するなら「スタンド」な作品(笑)
人の魂を具現化する異能力「タマラセ」による能力者バトルです。
ただ、それにしては物理的な能力(殴ったり殴ったり(笑))が多かったのがちょっと残念かな、と思いました。
ほとんどの能力者が武器(本当に武器。別に特別な能力のある武器とかじゃない(一部除く))として魂を具現化させているので「ジョジョ」のように知恵と搦め手を駆使した能力バトルというわけではなく単純に身体能力が雌雄を決する部分が多々あったのは盛り上がりに欠けるなと思いました。
あとビジュアル的にも少々弱いかな?最強の能力者のタマラセが「竹槍」、しかも本当にただ突くだけの代物ってのは正直どうかと思います。

あと脇キャラがちょっと弱いかなという印象を受けました。
特に久里浜なんて設定読むだけでも主人公クラスを喰うキラーキャラに十分なりえるのに作中の活躍が少々少なめでちょっとがっかり。
ザ・スニーカーに載った短編みたいに『久里浜探偵局』中心に話を進めればもうちょい脇キャラ強化ができるのではないでしょうかね。

まあまだ一作目だし、とりあえず今後に注目です。
紙様
関係ないけど日向悠二さんは最近よくラノベの挿絵描いてるなぁ

(2巻の感想)

原題の「コルシカ忍者が三千人」はどこに行ったんでしょうか?
っていうかタイトル変わりすぎ。

当然のようにいる長坂についてなんのコメントも無く始まる第2巻。皆がザ・スニーカー読んでるわけじゃねえぜ?
表紙になってるけどあんまし久里浜の出番は無し。短編でもそれほど活躍してるわけじゃないし、ホントどうしてこう使いやすそうなキャラなのに出番が無いんでしょうかね?
まあ話が三助の一人称だし、おまけに久里浜は勝手に動いて三助と一緒にいることが少ないから自然そうなってしまうんでしょうけど。
短編も長編も「タマラセ使いが大量発生した」という前巻の結末を踏襲し、ようやく軌道に乗り始めた気がします。そう考えると受賞作からして完全に踏み台なわけか。
前巻で感じた「単純な殴り合いになるのはどうか?」という点はまだ残っていますが、それでも義手型とか大筒型とか暗器型とか割と多種多様なタマラセが出てきたんで前巻よりはバトルに幅がでてきたような気がします。
しかしそれを「近接型 遠距離型 操作型」とまんまジョジョのように分類するのはどうかと。まあこれ以外分類しようがないというのも事実でしょうがそれにしてもこの分類は露骨ではないかと。

完全に巻き込まれ型だった三助もどうやら特殊なタマラセ使いのようであり家族が作品の根幹に関わっているらしかったりといろいろと脚光を浴び始めました。
基本的に彼の一人称で物語が進むわけですからこれから三助がどうやって行動してどうやって成長していくのか、それが表立って現れてくるようなので今後も楽しみです。
紙様

3巻〜サイボーグは果実を愛する〜の感想

……で、また副題が変わってるんですけど。
「忍者はコルシカ島に行った」がどうやればこんなタイトルに……

超人スタンドバトルは相変わらず。今回は「変形する人間」という無茶苦茶なバカの登場で一味違って展開になって好感触。
ただ、今までもそうだったけど「命が軽い」ってのが今回はやけにピックアップされてたな、と。ノリは軽いしベースはギャグだけど、人がゴミのようにホイホイ死んでいくのはかなりギャップがある。迅と佐土原の暴れっぷりはさすがにギャグでもカバーしきれんと思うぞ。冒頭から暴走族20人惨殺だもんなあ。

二巻とは別人ってなくらいビジュアルが変わってたけど、景(ジャンキーじゃないよw)がアホアホゾーンに引き込まれてだんだん崩れていくのが面白かったですね。P117の挿絵が今回最萌え……最萌えってなんだ?
景だけでなくステフや葉月、九里浜など女の子勢が今回は全体的にがんばってたかなって印象を受けました。あ、もちろん夏月もね。
MSVS超人少女タッグってなラストバトルも燃えましたし。

最強オヤジを封印して人外魔境佐土原と大バトルをやらかした第3巻、ジョーカー封印してただけあって今までにない楽しさを満喫することができました。
親父殿はしばらく降板するようですし、平磐の九里浜探偵局(仮)が戸有村と一体どのように対立していくのか、見ものです。
紙様

4巻〜鉄仮面はメロンパンを夢見る〜の感想

結構平気な顔して残虐描写をやったりする「タマラセ」。
物語はいよいよ佳境へ。
もうコルシカには騙されません。つか長坂の出番ほとんど無いじゃん。

今回はタマラセ封印ということで一部のメンバー以外はほとんど活躍できず。
というか一方的にタマラセの使える面子に虐げられるので結構ショッキングな内容。特に九里浜への顔面膝蹴りはかなりショック。
「タマラセ使いは頑丈」ってな設定があるせいでやるときには容赦が全然ない。おまけに今回は先天的タマラセ使いを優性と見なすキャラまで登場しちゃったせいでもうみんなボッコボコ。
基本的にバカベースな物語なだけに六塚先生がやる気になったときのギャップのすごさってのが今回は特に際立ってました。

次は短編でその次の長編で終幕とのこと。
何気に好きなシリーズなんで終わってしまうのは悲しいところですが、こうすっぱりと終わらせる話ってのも最近では珍しいような気がするので、スパッときれいに終わらせてくれることを期待。
ファイトだ、六塚先生。
紙様

5巻〜ボンクラたちのララバイ〜感想

異能力「タマラセ」による血みどろコメディ。
今回はザ・スニーカーに掲載された短編6本と書き下ろし1本の豪華版。
ぶっちゃけ本編よりも分厚いぜ(笑)

さて、短編は本編とは違い人は死にません。
で も 殺 伐 で す(笑)
怪我人は平気で出るし血だってドバドバ出る。
「コメディだし」で片付けられる分ある意味本編よりも性質が悪い。
スパイクボールとか、ひょっとすると地下プロよりも残虐なんじゃなかろうか(笑)
「シリアス」が「コメディ」に変わろうともタマラセはタマラセなのでした。でもこっちのほうが「死に」要素がない分素直に楽しめて好き、かな。

あ、あと短編は微妙に「萌え」「エロ」成分が本編より増してます(笑)
でも「鼻血夏月」のイラスト(というかアイキャッチ扱いでしたが)は短編でもほしかった。あれすんごくかわいいのに。
紙様





トップへ
戻る
前へ
次へ





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送