ライトノベル・レビュー

ひかりのまち―Nerim’s note( 長谷川昌史 イラスト:Nino)

 第11回 電撃小説大賞<金賞>受賞作。大賞が面白かったんでその勢いで購入。ただ、個人的にはもう一つだったかなと。

 300ページ程度の厚さで、文章・構成も一気に読んでしまったくらいに巧み、と外形の部分は問題なし。
 内容は要約すれば、16歳になった少年が自分の誕生日を境に「ほんとうのこと」を知って心も体も大人になる、てな話。「体も」と書きましたが、事実性描写あります。いや、「デビル17」のようにねちっこくはないですが(というか1ページ程度)「妄想力は∞。僕ら煩悩がエネルギー」という方なら大丈夫(←何が)。某ハンバーグのCMの如く「大きくなれよ」とばかりに育った空想(但しピンク色)の力であんなことやこんなことも楽しむことが出来るでしょう。つか、初戦(ファーストバトル)の相手が年上の眼鏡のお姉さんという時点で私は負けた!この主人公・ネリムに負けたのだ!!

・・・失礼しました。思わず地が出ました。

 とまあ小説としての概要や特化した部分では安定している本作ですが、内容となると・・・思うに

終盤の展開がイマイチ

 ではないかと。序盤の学園生活。中盤の「ほんとうのこと」に迫る展開や描写は面白かったんですが、終盤の「ほんとうのこと」を知る場面になると妙に説明セリフが多くなって閉口しました。特に、ラスボスと思しき人物がこれまでの悪事と真相をダラダラ語りだした時は正直勘弁してくださいと。まあ、その後にもう一ひねりあったから良かったですが。

 後、終盤ある人物に出番を喰われてしまって主人公(というかその人物以外)の影が薄いとか、そこで動かないのは主人公としてどうかと思うような場面もありました。本書の後書きによると、アクションではなく会話で話を進めたかった」とありますが、正直なところ、基本的にムリのある設定を長文で聞かされても困るというか・・・

 また、本作はある一人の政治家が悪役を一人で担ってるのも個人的には少々。政治家ってのは人から見れば良いことも悪いことも国や国民のためには行うが「国や国民のため」ってのが理想ではなく方便になった時に腐敗するものと考えてるんで。もう一人の政治家も少々悪事をしててもおかしくない、と考える私がひねくれてるんでしょうか。

「「ほんとうのこと」はつまらない」とは作中の言葉ですが、小説としてもそうである必要は無いんじゃないかな〜、と厳しめの意見をを言わせて頂きます。

 余談ですが、内容とイラストが相まって「キノの旅」の青年版、という印象を感じる本作ですが、キノほど透徹してはないかなと。それは主人公が当事者である本作と、主人公はあくまで第3者であるキノの違いなのかなとか。
(はろmk−II)





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